韓国のオンブズマン制度の概要
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大統領制 | |
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国民苦衷処理委員会 | |
(制度的背景) |
1971年 政府合同民願室設置 1974年 行政相談委員制度設置 1994年 国民苦衷処理委員会設置 1949年以降大統領令により、許認可及び苦情申立に関する業務処理基準が定められ、その後政府合同民願室、行政相談委員会へと発展した。しかし、これらの制度は、その機能や権限についての法的基盤が弱い等の理由でその効果を十分に発揮しなかった。そのため行政の公正性と透明性の向上、国民の権利保護を目的とし、大統領令による行政改革の一環として首相の下に国民苦衷処理委員会が設けられた。 |
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1994年 行政規制及び民願事務基本法 | |
任 命 等 | 任命権者 | 代表的社会的組織の推薦に基づき大統領が任命 |
資 格 | 国会議員、地方議会議員、政党構成員等の兼任は不可 | |
構 成 | 5名(1名は常任委員とする、内1名は局長クラス以上の公務員経験者に限る) | |
任 期 | 3年(再任は1度だけ可能) | |
罷 免 | . | |
職 務 | 任 務 | 行政の公正化と透明性の向上及び国民の権利保護を目的とした苦情処理 |
管 轄 | @国及び地方公共団体(協会・個人など行政権限を負託された者を含む) ------------------------------------------------------------------------- (管轄外) @大統領 A裁判官 B国会議員・地方議会議員等 C個人のプライバシーに関する事項 D検察の管轄事項 E行政訴訟等により係争中の事項 F和解・調停・仲介等の法定の手段により紛争解決手続が進行中又は解決した事項等 |
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調査手続 | @苦情申立方法・・・直接申立制度 A職権による調査権は有しない |
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権 限 | @調査権・・・証人の召還、政府保有情報の提出及び必要な支援の義務づけ等の権限を含む A勧告権 B公表権 |
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韓国「国民苦情(苦衷)処理委員会」(Korean Ombudsman)の視察報告
私は、1995年(平成7年)8月8日に、東京地方税理士会調査研究部の視察団の団長として、韓国中部税務士会の協力を得て韓国のオンブズマンの視察研修を行いました。
当日、金光一委員長から制度全般の説明を受け、実際の審議の光景を参観することができました。審議参観の後、苦衷の受付、調査を行う部署である事務所も訪問しました。
韓国のオンブズマンへの外国からの訪問は、我々視察団が初めてということです。
1.制度の概要については、金光一「韓国のオンブズマン制度」(社)全国行政相談連絡協議会編「諸外国と我が国のオンブズマン 制度−国際シンポジウム結果報告−」p253〜261、「国民苦衷処理委員会 現況」(訪問時入手)及び「THE OMBUDSMAN OF KOREA」英文パンフレット参照。
2.処理件数(初年度1994.4.8〜1995.6.30)
総受理件数 5,726 調査完了件数 2,889 ・是正措置勧告 285 ・制度改善勧告 35 ・調査審議中是正 399 ・案内回信 329 ・申請棄却 1,180 ・撤回及び却下 661 処理未了件数 2,837