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外務省の失態、中国日本領事館侵犯事件、租税訴訟学会、客員教授1年生、TCフォーラム国会陳情、東京都外形標準課税1審敗訴など(3月26日から5月15日までの掲示板から)。


外務省の失態と体質改善(2) 投稿者:長谷川 博  投稿日: 5月15日(水)19時56分05秒

2002年05月14日
毅然とした外務省がほしい

 瀋陽の日本総領事館で、亡命を求めた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の5人が、中国の武装警官に阻止・連行された事件で、外務省は13日、中国による主権侵害があったことを具体的に示す調査結果を公表した。
 8日の事件で、母子らを取り押さえた警官が、総領事館の敷地に踏み入ったことは、世界に流れた映像で証明済みだ。中国は、ウィーン条約31条3項による領事館警備を理由に妥当性を主張するが、同条2項は領事館の同意を前提にしており、無許可で入った警官の条約違反は争う余地がない。
 焦点は、ビザ(査証)待合室の2人も連行された経緯だ。川口順子外相は会見で、警官の立ち入りと2人の連行に同意し、感謝したことなどないし、5人の公安局引き渡しには手を広げて阻もうとしたと述べた。事実であるなら、主権侵害はより明白で、陳謝と原状回復を求めるのは当然である。
 双方の主張は、食い違ったままだ。昨年来ぎくしゃくしてきた両国関係が、また悪化するおそれもある。今年は日中国交正常化30周年で、かつてのような友好ムードを取り戻すための努力や演出が続く。だからといって、主権侵害の問題をおろそかにし、妥協を図ることは許されない。武装警官の行動と主張の背後に、中国政府すら抑えるのが難しい軍当局の強硬姿勢があるなら、あいまいな決着は一層禁物である。
 ただ映像で見る限り、騒ぎで門まで歩き、警官の帽子を拾う副領事に、主権侵害を正す毅然(きぜん)とした姿勢はない。5人が館外に出された後とはいえ、北京駐在公使は「無理するな。最終的には連行されても仕方ない」と容認した。連行自体が条約違反で、亡命者であるのを知りながら、この判断は大失態だ。大使館や総領事館はいわば日本国内である。国益を代表して仕事するというふだんからの意識が希薄だったからではないか。
 瀋陽総領事館は当時、総領事が旅客機事故で出張し、ナンバー2の首席領事は4月から休暇中だった。この2人以外は他省庁からの出向で、最初に応対した副領事は厚生労働省出身だ。領事業務を外務省で進んで引き受ける職員は少ない。出先で仕事の差別や押し付けがあったとしたら論外だ。
 こうした問題と別に、最優先すべきは、5人の亡命をかなえることだ。一家は北朝鮮を一度脱出したが、一人娘を売る寸前まで暮らしに困ったうえ、中国で捕まって収容所に送られた。再び逃げ込んだ中国での決死行が、日中の対立で妨げられてはならない。
 このような事態は、命がけで脱出する人が相次ぐ地域の公館で、今後も起こりうる。亡命者に門戸を広げることは、国としてたやすい選択ではない。だが、こうした事態への対応措置は現場に徹底しておくべきだ。人道問題をどう扱うか、世界からも注目される。
 日中を揺さぶる問題は、抑圧をおそれ、飢えから逃れたいがために起きた。北朝鮮が「主体」性を尊ぶなら、国威発揚の祭りでなく、自国民に食べ物を配ることだ。
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200205/14-1.html


外務省の失態と体質改善(1) 投稿者:長谷川 博  投稿日: 5月15日(水)19時54分35秒

外務省の姿勢改革や中国・日本総領事館侵犯事件について、毎日新聞の社説に光るものが見られるので、記録にとどめておきたい。

2002年05月11日
外務省出直し 何のためか、誰のためか

 川口順子外相の肝いりで発足した「外務省を変える会」(座長・宮内義彦オリックス会長)が、職員の振る舞い方、人事、政と官の関係などで中間報告をした。改善策は並んだ。が、まず取り組むべきは、瀋陽総領事館での中国武装警察官侵入問題で露呈したような、使命感の著しい欠如をたたき直すことではないか。
 中間報告は、田中真紀子前外相更迭を受けて就任した川口外相の打ち出した「10の改革」を柱に、提案している。「誤ったエリート意識の排除とお客様志向」では、大使や総領事を「閣下」と呼ばせる、過剰な敬称の使用をやめる▽大使館などの職員の夫人の間には命令・上下の関係が存在しないことを徹底する▽大使は疑惑を生じさせないように身を律する――などを提言した。
 人事制度の再構築では、1種の外交官試験に合格してしまえば、本省幹部と先進国の大使という四十数年先の栄誉ある地位まで約束される、固定的制度を批判した。公正な人事評定に基づく競争原理の導入、1種以外の職員からの登用などを求めた。特に大使職が、誤ったエリート意識を生む象徴になるとして、全体の2割から半数は外務省以外の人材から起用することを促している。
 人事制度に手をつけるのはもっともなことで、既に上智大教授から軍縮会議代表部大使に猪口邦子氏をあて、一部幹部を公募するなど、その試みには期待したい。だが、外務省以外の一般社会ならごく当たり前の振る舞い方、箸(はし)の上げ下ろしを変えよと言ったところで、この役所の体質を「変える」ことは不可能に近い。
 外務省では、機密費詐取など金銭不祥事が昨年1月から相次いで発覚した。鈴木宗男衆院議員の圧力と介入に抗しきれず、外交方針や公正な行政までゆがめていたことが分かった。今回、瀋陽総領事館員は、泣き叫ぶ母子を傍観し、館内まで警官侵入を許して亡命希望者を連行させてしまった。
 まず責められるべきは、副領事と、他の総領事館員7人だ。日本は、国益も人権も身をていして守る意識がない国だという姿を、世界にさらした。治外法権を知らないはずはない。たとえば4月、飲酒して交通事故を起こしたカナダ駐在の大使館員は、外交特権をふりかざして訴追を免れた。
 公使による抗議で引き下がった北京の大使館もおかしい。阿南惟茂大使は翌日までどうしていたのか。東京は映像で重大さに気づき、ようやく3日目に幹部を派遣した。小泉純一郎首相は、仮想のような有事法制の審議促進を求めながら、眼前で主権が侵されても「慎重、冷静に」と人ごとだった。外交に当たる人々が、自らの役割と気構えを喪失していると批判されて、反論できるだろうか。
 竹内行夫外務事務次官は「外交とは何か」(外交フォーラム6月号)について、こう述べている。「国民と外交官に相互信頼が存在し、国益を守る強靭(きょうじん)な外交を遂行できる体制を整えることだ」。きょうから、実行すべきである。
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200205/11-1.html


大学での夕食(雑感) 投稿者:長谷川 博  投稿日: 5月15日(水)04時27分17秒

久しぶりに大学での話をしてみます。

毎週火曜日と水曜日は、朝日大学大学院で税法学3講座を受け持っています。
授業は、テキストを補充する資料の準備が意外に重要です。
院生も参加した授業にするための工夫や関係する話題などアドリブも必要です。

1泊2日の日程ですが、夕食をどうするかも重要なものです。
授業は楽しくやろうというのがモットーですが、大学での夕食も楽しく摂りたいものです。
そうすると、一人で外食するのも寂しいので、院生を連れ立っての食事が楽しいものとなります。
一人で食事することに寂しさを感じない人もいるでしょうが、私は一人でないほうが体調にいいです。

14日の夕食は、院生の一人がインターネットで探し出したようで、今までのところより美味しかったです。もちろん私のために美味しいお酒があるところという配慮もあったようですが、探すからには自分の食べたいものもマークしていたようです。

福島県出身のせいか(?)、お酒は好きですが、ところ変わったお酒も興味があります。もちろん院生との食事ですし、今回は女性の院生も一人参加しているせいもあって、いつもの調子より少し緊張も必要です。多少の緊張感は食事のスパイスでもあってかえって消化にもいいのかもしれません。

院生との食事で気がかりなのは、車で帰る院生がお酒を飲めないことです。これも事故等があっては困りますので行為規範としての道路交通法に従うようにやかましく言うことになります。
自分だけお酒を飲みながらの食事になりますが、これも院生にとっては修行(?)として耐えてもらうということで許してもらっています。

私の大学や大学院時代には、先生と頻繁に食事をしたり懇談する機会はなかったですが、私の方法も一つのケースとして経験してみたいと思っています。

学問は問いながら学ぶことでしょうが、方法はいろいろあって良い意味での経験・行動も役に立つものと信じながら大学での生活を過ごしています。

中国・日本総領事館侵犯事件 投稿者:長谷川 博  投稿日: 5月12日(日)13時44分23秒

(毎日新聞社説から)
瀋陽連行事件 事実関係掌握が遅すぎる

 中国・瀋陽の日本総領事館に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)出身の家族が亡命を求め、中国の武装警察に連行された事件について、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、家族を北朝鮮に送還しないよう中国政府に申し入れた。
 韓国や米国からも、中国政府に人道的な措置を求める声が相次いでいる。世界貿易機関(WTO)に加盟を果たし、北京五輪を開催する中国には、国際世論に耳を傾ける度量を望みたい。
 母親を連行され泣いていた女の子をはじめ家族5人が、早く無事に第三国に出られることがなにより優先する。亡命希望者に飛び込まれた日本の総領事館の対応に不手際があった。国際的な信用を取り戻すためにも、政府は5人の安全確保を、さらに強く中国に要求してほしい。
 日中関係は、亡命の成否そのものを離れて、中国の武装警察が日本総領事館の敷地に無断で入ったかどうかをめぐる国家の体面の争いで揺れている。
 支援団体からの事前連絡を受けた通信社が撮影したビデオを見れば、家族が総領事館に突進した時、門の外で警備していた武装警察も敷地の中に無断侵入したことは明らかである。
 ところが中国外務省は11日になって「日本の副領事の同意を得て入館、連行した」とする報道局長談話を発表した。
 この点は、争いの本質にかかわる重大なポイントである。
 日本外務省は「同意を与えた事実はない」と全面的に否定している。だが、事件発生から3日もたった11日になってやっと、事実関係調査のために領事移住部長が現地に入った。これほど日中関係が揺れ、日朝、日韓関係にも影響が及びかねない事件だというのに、事実確認に、どうしてこんなに手間取るのだろうか。あきれるばかりである。
 中国の立場も一貫していない。事件直後、報道局長は記者会見で、テロリストかもしれない身分不明の人間が外国公館に入るのを中国の警察が阻止したことは、外国公館を保護する受け入れ国としての責任であり、「ウィーン条約」違反には当たらないと表明していた。テロ防止が理由であれば、総領事館への無断侵入が条約上認められるといういささか乱暴な釈明である。
 だが、新しい談話では、そこは抜け落ち、日本側の「同意を得て入館し」「館内から身元不明の2人を連れ出した」と変わった。事前同意があったなら条約違反には当たらない。さらに、領事が5人の連行に感謝したという「新事実」を加えた。
 日本外務省の説明も、二転三転している。ビデオが流れるまで、5人全員が一度、敷地内に入ったことすらあやふやだった。副領事以外に、現場に領事が出てきて、武装警察と接触したという説明もない。
 外務省は、全面否定する以上、きちんとした調査結果を一刻も早く明らかにすべきだ。
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200205/12-1.html

 この社説が日本の世論を代弁する意見だと思われる。日本政府の外交姿勢を見直す良い機会になれば幸いである。

租税訴訟学会(日経新聞から) 投稿者:長谷川 博  投稿日: 4月28日(日)00時03分20秒

日経新聞連載「税をただす」から

(4/27)(4)もうひとつの「ムラ」・徴税現場へ不信消えず
 税の組織は、ひとつの「ムラ」である。税の論理に閉じこもって税制をつくろうとする財務省主税局や政府税制調査会だけではない。国税庁や税務署といった徴税の現場もそうだ。
出向で裁判補佐
 昨年10月、納税者の立場から、その「ムラ」と闘おうという学会が生まれた。「租税訴訟学会」。弁護士や税理士ら130人以上が、納税者が20件に1件程度しか勝てない税務訴訟の現状を打破したいといって集まった。
 学会長の山田二郎弁護士はいう。「納税者の救済手続きとして裁判が機能していない」
 学会がもっとも問題視しているのは、国税職員が裁判所に調査官として出向し、裁判を補佐していること。税務訴訟が集中する東京、大阪両地裁では、5人の国税職員が調査官をつとめている。これは納税者の目には「争っている相手方の人間が、公平であるべき裁判も左右している」と映る。
 この制度には、日本弁護士連合会も「いたずらに国民の不信を醸成する」として、2000年12月に見直しを求める意見書を最高裁に提出した。だが最高裁は、「『公平らしさ』の問題はあるが、1件たりとも不公平な判決はない」(定塚誠・行政局第一課長)として、見直しに動こうとしない。
 納税者にすれば「公平らしさ」に問題がある裁判など信用できない。「結果として不公平はない」といって済む問題ではないのだが、「ムラ」のなかでは違う論理がまかり通る。
(以下、下記URL参照)
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt16/20020426eimi147626.html

租税訴訟学会 投稿者:長谷川 博  投稿日: 4月24日(水)11時44分54秒

租税訴訟学会の設立

1.はじめに
平成13年10月15日に「租税訴訟学会」という学術研究団体が設立され、本年4月10日に「市民・納税者のための弁護士と税理士の協働」というテーマで第1回フォーラムが霞ヶ関にある日本弁護士会館で開催された。
 東京の弁護士3会や東京税理士会のメンバーが多く参加しており、弁護士(会)と税理士(会)が協力して運営する初めての学会として注目される。
 これは、税理士法改正により本年4月から税理士が税務訴訟において、裁判所の許可を得ることなく、出廷し陳述する権限が付与されたことが契機となっている。
 この学会は、大学の研究者に実務経験の臨床的研究材料を提供するとともに、大学教育において訴訟実務が重視される端緒とすること、また、税の世界において、官僚主権を排除し、国民主権を実現することに役立つことを目指している。その設立の趣旨等を紹介する。

2.設立の趣旨
納税者に関する人権は、マグナカルタや権利章典の時代に遡及し、人民の基本的人権の中で最も古い歴史を有する重要なものである。ところが、租税法を研究する研究者が少なく、また、租税訴訟に関与する弁護士も極めて少ない現状である。
 わが国は21世紀において、司法国家を目指し、かつ昨今は,平成13年5月、国会において税理士に出廷陳述権が付与され、租税法の領域においても、司法改革の必要なことが強く認識されている。
 数年後には、各大学にロースクールの設置が予定され、実務法律家の養成が年間3000人規模で行われる見込みであり、税務の領域においても、医学における臨床実務の研究と同様に、税務訴訟研究が重要と考えられる。
 また、法律家は、法の支配の原則を社会に普及させることが重要な使命であり、一方、裁判所があらゆる権力から独立して適正かつ公正な判決を出すことによって,法の支配の原則が実現されることを看過してはならない。法の支配は、国民が裁判所を権利実現の道具として、多く利用することによってのみ実現されると言っても過言ではない。租税訴訟は公益的訴訟であり、わが国において進行しつつある経済構造改革は、規制改革を重要な内容としており、これを真に実現する為には、裁判所による行政活動のチェックが必要である。
 租税訴訟に関与する法律家は、租税訴訟の実務的研究を税理士と共に行うことが必要と考え、今般租税訴訟学会の設立を提案した次第である。租税訴訟は、行政訴訟と刑事訴訟の二つがあり、いずれも専門性の高い領域であり、この学会を通じて多くの専門家を養成することが期待される。
 
3.癒着談合型社会形成の原因
日本の社会を癒着談合型社会にした主犯は、わが国の裁判所である。
若し裁判所が、行政追随判決の傾向を止めたら、日本の社会は直ちに司法監視型社会へ変貌する。癒着談合型社会は、社会の中に監視役がいないところから生まれる。裁判所が、行政のチェックを怠ってきたから、わが国社会は、癒着談合型になってしまったと言えよう。
国民が、行政の違法を糺すため訴訟を提起しても、裁判所は、行政追随判決を繰り返すことが多かった。これは、国民の「裁判を受ける権利」の侵害である。裁判所には、租税法の専門裁判官がほとんど存在しないから、税務署の主張通り判決をしてしまう。当学会は、裁判所に、判決をするための理論を提供してゆく存在となることが期待される。
裁判所には、国税庁から租税調査官が派遣されており、租税判決は、国税庁職員が書いている様なものである。裁判所は、判検交流も行っており、司法と行政との癒着・談合システムは直ちに止めさせないと、主権者たる国民に多くの不利益をもたらすであろう。
法の歴史は裁判の歴史であり、且つ、法を運用する者の歴史である。行政追随判決を繰り返す裁判所は、国民の「裁判を受ける権利」を実質的に侵害している。形式的に三権が分立していても、法の運用者たる裁判所が行政から独立していなければ、国民の基本的人権は、保障されていないことになろう。「裁判所の真の独立」を早く実現するためには、租税調査官は,国税庁から裁判所へ受け入れる事を止め、また、判検交流の廃止を強く求めてゆかなければならない。

客員教授1年生 投稿者:長谷川 博  投稿日: 4月17日(水)23時50分45秒

本年4月から、朝日大学大学院法学研究科客員教授として院生を指導することになりました。

講義・ゼミレポート

16日の4時限(2時50分から)から修士論文の指導をする税法演習の授業を担当しました。
担当する院生は、男性2人、女性2人です。

5時限(4時半から)は、税法特殊講義T(税法概論)の担当でしたが、13人の受講者がありました。税理士志望者が大部分です。大学院の一部税法免除は、法科大学院構想の税理士版先取りである面もあるし、大学院で学んだ後に一味違う税理士になってもらうべく指導するつもりです。

テキスト以外の資料を用意するのが意外と大変です。今日は、テキストを離れて、税法とは、税法学とは、日本の税法学の歴史も含めて話をしてみました。

授業の後、「どうですか、話の内容が分かりますか。これでいいですか。」とか確認してみましたが、分かりやすくてとっても好いといってくれました。(本当かな?)

でも、うれしかったですね。

演習の男子学生と連れ立って、夕食を食べ、1泊するためにホテルに戻って、mailなど書き込みしました。
健全な休肝日もできそうですし、最初の意気込みと不安も多少緩和でき、アカデミックな雰囲気に包まれて、院生と楽しく勉強をしてみたいと思っています。

院生も、初対面のせいか大人しいようですが、それなりにしっかりしていて期待が持てそうです。


講義・ゼミレポート2

17日は3時限(1時10分)から税法特殊講義V(所得税)です。
受講者は、8人でした。2時40分に終えて、3時38分に岐阜羽島から「ひかり」で帰り、5時25分くらいに新横浜着、事務所へは6時ごろに着きました。

授業は、昨日の受講者以外の者が2人いましたが、行政法専攻で2年生です。
昨年日程の都合で税法が受講できなかったので、今回から受講するということでした。

授業は、様子を見ながら臨機応変に内容を変えていくこともできます。

全部で3講座ですが、テキストも内容も違って話をしなければならないのが大変といえば大変です。

客員教授1年生ですから、いろいろ失敗もあるでしょうが、恐れずに、そして楽しく授業ができたらいいなと思っています。

今日は荷物が重くて疲れました。
次回からは、軽いバックに資料を入れて行きたいです。

TCフォーラムによる国会陳情 投稿者:長谷川 博  投稿日: 4月11日(木)11時29分05秒

 昨日、今年2度目のTCフォーラム(納税者の権利憲章をつくる会)による国会陳情に行ってきました。
先月、朝日新聞の記者2名から税制および税務行政についてそれぞれ取材があり、今回の4野党に対する陳情の取材も受けました。
 記事になりましたので紹介します。

(asahi.comから)
納税者の権利保護規定を 市民団体が野党に法改正要請
 税理士や学者らでつくる市民団体「納税者の権利憲章をつくる会(TCフォーラム)」(代表・池上惇京都大名誉教授ら)は10日、野党4党に対し、納税者の権利を保護する規定を国税通則法に盛り込む改正案を共同提出するよう申し入れた。多くのサラリーマンは会社任せの年末調整制度で納税を済ませているが、将来は全員が自ら税務署で確定申告できる制度に改める論議が始まろうとしており、「納税者の権利憲章はますます必要になる」としている。
 同フォーラムは「日本では、納税者の権利を保障する法律も、権利憲章も、税務行政に関する事前手続き規定もない。このため、税務当局と納税者の間で不必要なトラブルが絶えない」と指摘。(1)税務行政を公正にする(2)国民に情報を提供し、苦情に誠実に対処する(3)プライバシーを尊重する(4)国民の権利・利益の保護に配慮する(5)税務調査の際は14日前までに文書で納税者に通知する−−などを法律に明記するよう求めている。
 納税者の権利を保護する規定は米、英、独、仏、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、スペイン、韓国、イタリアが法律か権利憲章で定めており、同フォーラムは「日本の税務行政は国際的に遅れている」と強調している。
http://www.asahi.com/national/update/0411/002.html


外形標準課税、都側1審敗訴 投稿者:長谷川 博  投稿日: 3月26日(火)22時43分19秒

(asahi.comから)
都の外形標準課税条例は違法 都に725億円返還命令

 東京都が大手金融機関を対象に制定した外形標準課税条例をめぐり、18の銀行が条例は無効だと主張して納めた税金の返還などを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。藤山雅行裁判長は、条例は地方税法に違反しており違法・無効と判断。「課税処分には極めて重大な誤りがある」と述べ、既に納められた約725億円を銀行側に返還するよう都に命じた。また、条例制定にかかわった石原慎太郎都知事や当時の主税局長の過失を認定。条例の施行により、銀行側には自己資本比率や貸し出し余力が低下するなどの損害が発生したとして、約18億円の賠償も命じた。

 この条例は、政府や経済界の慎重論を押し切り、全国初の目玉政策として提案された「石原新税」で、都議会も圧倒的多数で成立させた。大阪府が同様の条例を制定したほか、深刻な税収不足を背景に自治体の独自課税の動きは各地に広がっている。この日の判決はこうした議論にも影響を与えそうだ。

 法人事業税は所得に課すのが原則だが、地方税法は「事業の情況」に応じて売上金額などの外形的要素を課税標準にできると定めている。

 これについて判決は、「所得が事業の担税力(税金を負担する力)を適切に反映している場合には、原則通り所得を課税標準とすべきだ」との見解を示した。そのうえで、「銀行はバブル期よりも大きな利益をあげながら法人事業税をほとんど支払っていない」という都側の主張を、「バブル崩壊を機に生じた一時的現象で、銀行業自体の客観的な状況とは言い難い」と判断。「銀行業では所得が担税力を適切に反映しており、外形を標準とした条例は違法・無効だ」と結論づけた。

 裁判では、銀行だけを課税対象にした点が法の下の平等を定めた憲法に違反するかどうかなども争われたが、「条例が地方税法に違反し無効である以上、判断するまでもない」とした。

 判決は続けて都の責任について検討。「都職員は地方税法の解釈に当たって当然抱くべき疑問を想定せず、その結果、立法資料などの調査を怠り、都知事と都議会に対して正確な情報を提供する義務を怠った」と指摘した。そのうえで議会の判断を誤らせた責任者として主税局長を挙げ、同局長には重過失に近い過失があった、と述べた。

 石原知事についても「条例に疑問を呈した政府や銀行協会などの意見を虚心坦懐(きょしんたんかい)に聞けば、条例が法令に違反している可能性が高いことを認識できた」と指摘。違法な条例案を都議会に提出して成立させた過失を認めた。

 一方、課税処分の取り消しなどを求めた訴えは「不適法」としていずれも却下した。(12:56)
http://www.asahi.com/national/update/0326/007.html
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 都知事や都議会の過失や直接の担当者である主税局長の重過失に言及したことは、異例であり画期的である。ただし、地方自治体の自主財政権を弱めたとすれば、課題が残る。